封筒とまちづくり - リーン・スタートアップ1
早速ですが問題です。
100枚ずつの封筒と手紙、宛名を書いたラベルと切手があります。
この封筒をなるべく早く完成させたい。どんな方法が考えられるでしょう?
普通に考えたら
1.まず手紙を100枚全部折ってしまう
2.宛名ラベルと切手を100枚貼って、
3.最後に100枚糊をして封をする
こんな感じでしょうか。
やること一つ一つをまとめてしまう方が効率的だと思いませんか?
けれど、この本によるとちょっと違うみたい。
リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす
- 作者: エリックリース
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2013/09/11
- メディア: Kindle版
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封筒をひとつずつ完成させていく方が早いというのです。
僕の考えた作戦だと、途中まで折った手紙の山を並び替えたりするときに時間がかかるということみたい。
実際に10枚の封筒で実験している動画も載っています。
Watch This One Piece Flow vs. Mass Production Envelope Stuffing Lean Thinking Simulation
全部の作業を分割してやる → 3分42秒
ひとつずつ完成させる → 2分56秒
驚きました。
だって、3分42秒と2分56秒です。
せいぜい10秒20秒の世界かなと思ってました。
見たところ、手を抜いてゆっくりやってるなんてこともないし(グチってるみたいには聞こえるけど)
手紙と封筒の束を動かすだけでこんなロスが出てるなんて想像ついた方、いますか?
そしてこの方法論、さらに続きがあります。
それは、
「もし折った手紙が封筒に入らなかったらどうするか」
という問いかけ。
単純な話です。
分割作業の方は一度戻って、全部やり直し。
ひとつずつやっていれば、"おかしいな"と思ったらすぐに気づきます。
効率的でいて柔軟性のある方法はどちらでしょう。
さて、今の世の中は「何が正しいか分からない時代」だと言われています。
僕たちはこれから色んな仕事をして、世の中に必要なものを作っていく。
それを、ものだったりサービスだったり、色々なかたちで人に買ってもらうことになるでしょう。
そのとき、折った手紙が封筒に入らなかったときみたいに、作ったものが受け入れてもらえなかったらどうでしょうか。
何が正しいか分からない時代です。
手紙のサイズは十中八九正しく折ることができても、必要としてもらえるものをつくることはずっと難しいはず。
必要としてもらえたり、受け入れてもらえるサービスをつくるにはどうしたらいいのでしょう?
ここからは、まちづくりの話にもつながってきます。
衰退していると言われている日本の地方。
改めてまちを見てみると、必要とされていない建物がたくさん建っているのが分かります。
地域に必要なものを捉える方法はなかったのでしょうか。
また、利用者が少なく必要とされていないと分かっていながら利用方法を変えない役場の建物、たくさんあります。
失敗してもすぐに立て直して次のアクションにつなげる方法はなかったのでしょうか。
何が正解かわからない時代だからこそ、
失敗にすぐ気づけるよう「一つ一つ封筒を完成させていく」ような方法論が必要です。
失敗してもすぐに方向転換できる組織づくりが大切です。
長くなってきたので次回、もう少し「まちづくり」のことに踏み込んで考えたいと思います。
読んでくれて、ありがとうございます!
たけうちとものり